「技術革新」および「イノベーション」という語の用法の歴史的変遷

「イノベーション」=「技術革新」とする最初の用語法
世界景気の堅実な力強い発展の陰に潜む基礎的な動因は、大衆購買力の増加による耐久消費財の売れ行き増加と技術革新のための新投資の増大であろう。/このような大衆所得の増大は、生産性の上昇によって裏付けされており、極端なインフレや国際収支の悪化を伴うことなく、国内市場との均衡的発展を可能にした。前に我が国国内市場の発展の理想型として述べた高能率、高賃金、高生活水準の方式は、既に欧米経済の繁栄の基礎的条件になっているのである。/しかし労働生産性を上げるということは単に勤労者が勤労意欲を振いおこすということではない。近代工業における生産性の上昇には設備の近代化、技術投資が先行しなければならない。そして年々巨額な投資を推進しているものは、技術の絶えざる進歩とそれを媒介にした企業の競争である。技術が絶えず進歩しているときに、生産設備を物理的に使用に耐えるまで耐久年限いっぱいに使っているようなことでは、競争会社に圧倒されてしまう。耐久年限の短縮と取り替え需要は投資財市場を拡大する。1956年の米国の産業設備投資は対前年2~3割の増加が予想されているが、その半ばまでは近代化の投資である。長期にわたる近代化投資を予想されている業種のなかに、目先き売れ行き不振で滞貨に悩む自動車産業が含まれていることは、近代化投資需要が目前の好不況の波を超越した強い力をもっていることを示すであろう。力をもっていることを示すであろう。/このような投資活動の原動力となる技術の進歩とは原子力の平和的利用とオートメイションによって代表される技術革新(イノベーション)である。技術の革新によって景気の長期的上昇の趨勢がもたらされるということは。すでに歴史的な先例がある。その第一回は、蒸気機関の発明による第1次産業革命後の情勢であって、1788年から1815年まで長期的に世界景気の上昇が続いた。第二回目は、鉄道の普及によって1843年から1873年まで、第三回目は、電気、化学、自動車、航空機等の出現に伴って1897年から1920年まで、革新ブームが現出した。そして現代の世界を原子力とオートメイションによって代表される第4回の革新ブームの時期とみることもできるであろう。」経済企画庁編(1956)『昭和31年度経済白書:日本経済の成長と近代化』至誠堂の第1部 第3章 第3節「技術革新と世界景気」
目次:http://www5.cao.go.jp/keizai3/keizaiwp/wp-je56/wp-je56-0000i1.html
第1部 第3章 第3節「技術革新と世界景気」:http://www5.cao.go.jp/keizai3/keizaiwp/wp-je56/wp-je56-010303.html
https://www.komazawa-u.ac.jp/~kobamasa/lecture/japaneco/innovat/ecwhpp_inv.htm
 
「技術革新」という語の用法の歴史的変遷
 
「イノベーション」という語の用法の歴史的変遷
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Rogers, E. M.のイノベーションの普及プロセスに関する類型論

社会学者E.M.Rogersは、製品購入者を下記の5つに類型化して、イノベーションの普及プロセスを説明している。すなわち、Rogersは、イノベーションによって新しく登場した製品の購入者をイノベーションの「採用者」(Adopter)として捉え、「理念型としてのイノベーションの採用者カテゴリー」 (Adopter Categories as Ideal Types)を下記のように類型化している(Rogers,1983,pp.247-251)。
 
1. Innovators(イノベーター)
2. Early Adopters(初期採用者)
3. Early Majority(前期多数採用者)
4. Late Majority(後期多数採用者)
5. Laggards(採用遅滞者)
 
Rogersの議論の知的面白さは、こうした5つの類型化を正規分布と結びつけたことにある。Rogersの議論を、単純化して言えば、製品購入者の製品購入時期(イノベーション受容能力を偏差値化した上で、偏差値に基づいて5類型化しているのである。すなわちRogersは、下記のように、sd(標準偏差,standard deviation,σという記号を用いる場合が多い)を用いて5区分している。
下記グラフの横軸は、イノベーションの採用時期を表し、採用時期が早ければ早いほどイノベーション度(innovativeness)が高いとされている。
そのため日本の通常の偏差値グラフとは異なり、イノベーション度(innovativeness)に関わる偏差値が高いほど左側に来ることになる。sdはstandard deviation(標準偏差)である。
 平均から標準偏差の2倍以上ずれた集団、すなわち、偏差値70以上の集団がInnovators(イノベーター)である。
 以下、イノベーション度の偏差値60以上の集団がEarly Adopters(初期採用者)、イノベーション度の偏差値50~60の集団がEarly Majority(前期多数採用者)、イノベーション度の偏差値40~50の集団がLate Majority(後期多数採用者)、イノベーション度の偏差値40以下の集団がLaggards(採用遅滞者)である。
 
 
[図の出典]Rogers(1983) p.247。ただし読みやすくするため、文字部分等は打ち直した。
 
上記グラフの日本語表記としては下記が参考になる。

Rogersのイノベーション普及モデルにおける「イノベーションの採用時期が正規分布する」という仮説は、下記の日本における家庭用VTR製品の社会的普及や、レンタルビデオ店舗数の推移グラフなどと一致している。

日本における家庭用VTRの普及とRogersの普及曲線の比較
[出典]井庭崇ほか(2001) p.77の図4、家庭用VTRの普及率のデータの出典は
経済企画庁の「消費動向調査」1982-1996]
日本におけるレンタルビデオ店舗数の推移とRogersの普及曲線の比較
井庭崇ほか(2001) p.78の図5
[店舗数の推移データの出典は電通総研(1996)『情報メディア白書1996』]
 
[関連データ]
 
E.M.Rogersの主著
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イノベーションに関するリニア・モデル — TRL定義

DODやNASAのTechnology Readiness Level Definitions(以下、TRLと略記)は、イノベーションに関するリニア・モデル的発想に基づくものと思われる。
 
NASAのTRLの定義は下記の通りである。
TRL-1 Basic principles observed and reported.
TRL-2 Technology concept and/or application formulated.
TRL-3 Analytical and experimental critical function and/or characteristic proof of concept.
TRL-4 Component and/or breadboard validation in laboratory environment.
TRL-5 Component and/or breadboard validation in relevant environment.
TRL-6 System/sub-system model or prototype demonstration in an operational environment.
TRL-7 System prototype demonstration in an operational environment.
TRL-8 Actual system completed and “flight qualified” through test and demonstration.
TRL-9 Actual system flight proven through successful mission operations.
そしてそれぞれの定義に対応するHardware Descriptionは、下記のように規定されている。
TRL-1 Scientific knowledge generated underpinning hardware technology concepts/applications.
TRL-2 Invention begins, practical application is identified but is speculative, no experimental proof or detailed analysis is available to support the conjecture.
TRL-3 Analytical studies place the technology in an appropriate context and laboratory demonstrations, modeling and simulation validate analytical prediction.
TRL-4 A low fidelity system/component breadboard is built and operated to demonstrate basic functionality and critical test environments, and associated performance predictions are defined relative to the final operating environment.
TRL-5 A medium fidelity system/component brassboard is built and operated to demonstrate overall performance in a simulated operational environment with realistic support elements that demonstrates overall performance in critical areas. Performance predictions are made for subsequent development phases.
TRL-6 A high fidelity system/component prototype that adequately addresses all critical scaling issues is built and operated in a relevant environment to demonstrate operations under critical environmental conditions.
TRL-7 A high fidelity engineering unit that adequately addresses all critical scaling issues is built and operated in a relevant environment to demonstrate performance in the actual operational environment and platform (ground, airborne, or space).
TRL-8 The final product in its final configuration is successfully demonstrated through test and analysis for its intended operational environment and platform (ground, airborne, or space).
TRL-9 The final product is successfully operated in an actual mission.
TRL-1 科学的知識 →TRL-2 発明→ TRL-3 分析研究→ TRL-4 試作(breadboard) → TRL-5 brassboard → TRL-6 プロトタイプ → TRL-7 A high fidelity engineering unit → TRL-8およびTRL-9 製品(The final product)という順序的プロセスとして規定していることは、イノベーションにおけるリニア・モデルとした管理である。
米政府のR&D定義とDODのR&D定義の比較
 
NASAのTRL定義
NASA(2012) “Technology Readiness Level” Oct. 29, 2012
NASA “Technology Readiness Level Definitions”
 
米国防総省(DOD)のTRL定義
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RANDのイノベーション関連資料

Donna Fossum, Lawrence S. Painter, Valerie L. Williams, Allison Yezril, Elaine M. Newtonによる共著、700ページ。
上記URLより各章をダウンロードできる。
 
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科学・技術の社会性 vs 科学活動・技術活動の社会性

科学的認識の「社会」性は、「科学的認識の本質的要素・本来的なモノであり、取り除き不可能なものであるのか?」、それとも「科学的認識の非本質的要素・偶有的なモノであり、取り除くべきものであるのか?」
 
普遍性を持つ認識としての科学的認識
日本でも、アメリカでも、ロシアでも、中国でも同一の内容を持つべきも
のとしての、科学的認識、社会主義国でも、資本主義国でも同一の内容を持つべきものとしての、科学的認識)
 
対象認識としての科学的認識(対象との一致・不一致が観測用具・実験装置によって検証されるものとしての、科学的認識

 

テクノサイエンス

科学 ⇔ 先端技術

     商用技術 ⇔ 社会、

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科学的研究の「基礎研究」的性格に関する歴史的主張

原子力に関わる「基礎研究的性格」論
オニール,ジョン・ジェー(鈴木訳,1940)「社会生活に革命を起こす原子動力の発見」『アメリカ』(新世界朝日新聞東京支社),1(3), 1940年8月号, pp.36-39
本記事は、原子力に関する科学的発見が社会生活に大変革をもたらすというようにその革命的意義を強調するとともに、科学者による基礎的研究の次の段階が技術者による実用化である、としている。

世紀の科学の凱歌がアメリカ科学によって挙げられた。19世紀のキュリー夫妻のラジユーム発見にも比すべき大発見が科学者の一群によって成遂げられたのである。いやラヂユームの発見よりも更に大きな影響が予想される。社会生活に大革命を招来するだろうことが期待されるのだ。・・・新しい、奇異な物質が分離し、空想にも及ばなかったような大きな力を放射することが、アメリカの実験室から発表された。それはラヂユームと同じ鉱石の中に隠されていたウラニウム235である。しかもラヂユームに比して数億倍も多量に含まれ、数百億倍の力を放射するという麒麟児だ。この新しく分離された原子はその爆発力によって石炭の燃焼によって得られる力に比し、実に500万倍の強力なものである。しかもこれは全原子動力放射の第一歩であって、全原子動力は如何なる化学燃焼の方法によるものよりも180億倍も強いのだ。/アメリカの科学は、この強大な力の存在を理論的にも、実験的にも証明した。そして次の研究段階は技術家がこの原子動力を実用的なものとすることで、その方法はこの原子を含む原料を分解する実用的方法を発見することに懸つている。これが為には、一方には実験的規模と、他方には大量生産規模とが併行して研究が進められねばならない。そしてそれが成就する日こそ、現代文化革命の日であり、人類の社会生活に大変革が起こるのである。その基礎的研究は、既に最近アメリカ科学が完成したのである。」p.36

 
科学(1943)「戦時下に於ける科学の進展について」『科学』岩波書店,1943年11月号,p.1
無署名の本巻頭言は、戦時下において直接的には役立たない科学研究をおこなうことの意義について次のように主張している。

「かやうな場合に於ても我々科学者としては,そこに多少の余裕の存する限りは,科学上の根本的な研究を推し進めることを忘れてはならないのであり,かやうな研究の進展を切望しないわけにゆかないのである。なぜと云へば,それが意外な点に於てまた戦力増強に貢献しないとも限らないからである。すなはち自然はいかにも巧妙につくられてゐるのであって,どんな所に異常な現象を呈するかを我々は予め想描することが不可能なのであり,そこに予想外な新発見が結果しないとは限らないからである。・・・周知の如く科学上の研究はいつも我々の予想外の発見を持ち来すといふことは従来のあらゆる経験が之を実証してゐるのであり,この意味に於て多少でも余裕の存する限り,科学者はやはりその根本的な研究を推し進めることに努力しなければならないのであらう。」
そして科学者によるそうした予想外の新発見の例として原子核分裂を挙げるとともに、それがエネルギー論的意味を持つことを強調している。
「具体的な一例をここに記して見るならば,先年ドイツのハーン及びシュトラースマンによってウラン原子及びトリウム原子を中性子で爆撃することにより原子核の分裂が発見せられたことなど重要な事実である。・・・しかもこの分裂に伴って巨大なエネルギーが放出せられることも明らかになったのである。」

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Alexanderの議論

1.製品アーキテクチャ論の前史としてのChristopher Alexanderの主張
AlexanderはAlexander(1966), Notes on the Synthesis of Form, p.116において、「分解(decomposition)が設計者にとってともかくも有用である」という前提を問題にしている。そして、「設計者は単一性(singleness)という意味においてintegrityを求め続けるものである」として設計における<総合>的側面の存在を主張する一方で、「設計プログラムの起源は分析的(analytical)である」として<分析>的側面の存在も主張している。そして設計プロセスにおける、そうした「分析と総合」(analysis and synthesis)という二つの目的の間の対立は、「[分析をおこなう]知性(intellect)と[総合をおこなう]アート(art)が設計において両立しない(incompatible)」とか、「「うまく組織された統一的設計」(unified well-organized designs)を設計者が作り上げるのに分析的プロセスは役に立たない」という主張へと人々を導く、と下記のように述べている。

Before we try to define a decomposition criterion we may want to question the assumption that such a decomposition can be of any use at all to a designer. The designer as a form-maker is looking for integrity (in the sense of singleness); he wishes to form a unit, to synthesize, to bring elements together. A design program’s origin, on the other hand, is analytical, and its effect is to fragment the problem. The opposition between these two aims, analysis and synthesis, has sometimes led people to maintain that in design intellect and art are incompatible ,and that no analytical process can help a designer form unified well-organized designs.
 
2.Christopher Alexanderの論稿
(1) Alexander, C.(1965) “A City is not a Tree”
本論文は、最初は下記のように1965年にpart I,Part IIの二つに分けて公刊されている。
 
Alexander(1965) “A City is not a Tree – Part I,” Architectural Forum, Vol.122, No.1, April 1965, pp 58-62.
Alexander(1965) “A City is not a Tree – Part II,” Architectural Forum, Vol.122, No.2, May 1965, pp 58-62.
 
http://www.rudi.net/books/5613によると、本論文は下記のようにさまざまな雑誌で何度も再録されている。
Design No 206, February 1966, pp 46-55;
Ekistics Vol 23, pp 344 – 348, June 1967;
Hefti Birtingur No 13, 1967, pp 50-72;
Architecture Mouvement Continuite 1, November, 1967, pp 3-11;
Cuadernos Summa-Nueva Vision, No 9, September 1968, pp 20-30;
Stichting Wekgemeenschappen Bergeijk, 2; (1966?), pp.77-108
Approach, Spring 1968, pp 26-27;
It also appeared later in anthologies and other edited works:
Architecture Anthology, (1969), Arizona State University, pp. 580-590;
Tres Aspectod de Matematica y Deseno, (1969), Barcelona, pp. 19-60;
La Estructura de Medio Ambiente, (1971) Barcelona, pp. 17-55;
Human Identity in the Urban Environment, Bell, G & Tyrwhitt, J(eds), Harmondsworth, UK, Penguin Books, 1972;
Design After Modernism: Beyond the Object, Thackara, J. (ed.) (1988), Thames and Hudson, London, pp. 67-84;
Architecture Culture 1943-1968: a Documentary Anthology, Ockman, Joan, ed. (1993), Columbia Books of Architecture and Rizzoli, New York, pp.379-388.
なお下記の本にも再録されている。。
Jonathan Crary, et al. (eds.) (1985) Zone 1/2, Johns Hopkins University Press, pp.128-149.
 
なお本論文は下記でダウンロードできる。
 
 
(2) Alexander(1966), Notes on the Synthesis of Form, Harvard University Press[稲葉武司訳(1978)『形の合成に関するノート/都市はツリーではない 』鹿島出版会]
本書は、下記WEBページからダウンロードできる。なお邦訳書はNotes on the Synthesis of Formと、Alexander, C.(1965) “A City is not a Tree”を含んでいる。

http://monoskop.org/images/f/ff/Alexander_Christopher_Notes_on_the_Synthesis_of_Form.pdf

 
(3) Alexander, C. et al.(1977) A Pattern Language – Towns, Buildings, Construction, Oxford University Press
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Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance

Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance[藤本隆、クラーク, K. B. (2009) 『製品開発力 : 自動車産業の「組織能力」と「競争力」の研究』ダイヤモンド社]における製品開発論

製品開発(product development)を構成する主要な4段階
1) concept development
2) product planning
3) product engineering
4) process engineering
「それぞれの段階における内的なcritical linkagesと、それぞれの段階にまたがるcritical linkagesの両方」(the critical linkages within and across them)を藤本=クラークは問題にし、日本、アメリカ、ヨーロッパでは「それぞれ異なるlinkagesが創出され、管理されている」(each creates and manages the linkages differently)としており、3類型にパターン化できるとしている。
 
linkagesの創出・管理を規定している要因としては下記の3つがある。
(1) a firm’s ability to build channels of communication(コミュニケーション・チャネルの構築能力)
(2) attitudes toward cooperation(共同に対する態度)
(3) the skill of the engineers(エンジニアのスキル)
 
「自動車のようなインテグラル製品においては諸機能の統合が必要である」ということに関する認識
「企業が製品開発をどのように組織しているのか?」(a firm organizes development)、すなわち、「企業が(製品開発)作業をどのように分割し、調整するのか?」(how it divides up and coordinates the work)という問題に関しては、製品開発プロセス(the development process)の「組織化」(organization)の二つの側面 — 「専門化」(specialization)と「機能間的統合」(cross-functional integration)を考察する必要がある。

“Organizationally, the development process achieves internal integrity mainly through cross-functional coordination within the company and with parts suppliers.” Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, p.30(『製品開発力』p.53)
翻訳では、cross-functional coordination within the company and with parts suppliersが「企業内部および部品メーカーとの間における部門横断的な調整」という訳になっており、functionのニュアンスが訳されてない。

“Cross-functional coordination within the firm (internal integration and other mechanisms)” Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, p.298(『製品開発力』)

 
「互いにうまく働くパーツ」は、「緊密に結びつけられ統合されている」(closely linked and integrated)組織によってつくられる、という発想
“parts that work well together are produced by organizations that are closely linked and integrated.”「ピッタリ合ってうまく作動するpartsは、緊密に結びついており、統合されている組織によって製造される。」Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, pp.30-31

『製品開発力』p.53では、organizations that  are closely linked and integratedが「緊密に連携がとれ、調整力のある組織」と訳されており、integratedのニュアンスが意訳されすぎている。)
 
自動車は、「数千の、機能的に有意味なコンポーネント」(thousands of functionally meaningful components)から構成されている。「数多くのコンポーネントの間の微妙なトレードオフおよび緊密なinterdependence」(subtle trade-offs and tight interdependence among many components)がtotal vehiclesのinternal coordination(の実現)を極端に挑戦的なものとしている。
“An automobile is composed of thousands of functionally meaningful components, each requiring many production steps. The technological sophistication of each component may be somewhat lower than that found in some high-tech products, but subtle trade-offs and tight interdependence among many components makes internal coordination of the total vehicle extremely challenging. Small size makes layout coordination for some cars quite difficult. Use of common parts across products complicates interproject coordination. The automobile thus places high on the internal complexity axis in Figure 1.1.”
Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, p.10(『製品開発力』)

「integrityを実現する」
Four Modes of Integration

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C. Y. Baldwinと K.B. ClarkによるDesign Rule論

「各partsが衝突し、一つの全体としてのsystemを殺してしまうことが確かに生じないように、modular systemからなる構築物を支配するのに必要な」事前決定、初期決定としてのDesign rules
Baldwin,C.Y., Kim, B. C. (2006) “Roadmap for Design Rules,” p.4や、Design Rules: Volume 1, The Power of Modularity中国語版序文[日本語版序文を基に書かれた序文]において、「人工物の設計に関わる決定のすべてを先延ばしにできるわけではない」、すなわち、「他の諸決定と調和的に働かせるための枠組みを提供するために、いくつかの初期的決定が必要である」と述べた上で、「そうした初期決定がDesign Ruleとして役立つであろう」としている。そして、design rulesを「うまくつくる」(well-constructed)ことができれば、modular systemを構成する数多くの諸部分に「調和を与える」(provide harmony)ことができる、としている。

Obviously, however, not all decisions about the design of an artifact can be postponed: some early decisions are necessary to provide a coordinating framework for the others. Those early decisions, in turn, would serve as rules — design rules. Design rules were needed to govern the building out of a modular system, ensuring that the respective parts did not clash and in so doing “kill” the system as a whole. Such rules, when well-constructed, provided harmony among the many different parts of a modular system.
Baldwin,C.Y., Kim, B. C. (2006) “Roadmap for Design Rules,” p.4
http://www.people.hbs.edu/cbaldwin/dr2/baldwindrroadmap.pdf

http://www.people.hbs.edu/cbaldwin/dr2/baldwinchinaprefacev1_2.pdfのp.4/13

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製品アーキテクチャ論関連文献

Ulrich
Modularity概念関連のエッセイレビュー
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