Rogers, E. M.のイノベーションの普及プロセスに関する類型論

社会学者E.M.Rogersは、製品購入者を下記の5つに類型化して、イノベーションの普及プロセスを説明している。すなわち、Rogersは、イノベーションによって新しく登場した製品の購入者をイノベーションの「採用者」(Adopter)として捉え、「理念型としてのイノベーションの採用者カテゴリー」 (Adopter Categories as Ideal Types)を下記のように類型化している(Rogers,1983,pp.247-251)。
 
1. Innovators(イノベーター)
2. Early Adopters(初期採用者)
3. Early Majority(前期多数採用者)
4. Late Majority(後期多数採用者)
5. Laggards(採用遅滞者)
 
Rogersの議論の知的面白さは、こうした5つの類型化を正規分布と結びつけたことにある。Rogersの議論を、単純化して言えば、製品購入者の製品購入時期(イノベーション受容能力を偏差値化した上で、偏差値に基づいて5類型化しているのである。すなわちRogersは、下記のように、sd(標準偏差,standard deviation,σという記号を用いる場合が多い)を用いて5区分している。
下記グラフの横軸は、イノベーションの採用時期を表し、採用時期が早ければ早いほどイノベーション度(innovativeness)が高いとされている。
そのため日本の通常の偏差値グラフとは異なり、イノベーション度(innovativeness)に関わる偏差値が高いほど左側に来ることになる。sdはstandard deviation(標準偏差)である。
 平均から標準偏差の2倍以上ずれた集団、すなわち、偏差値70以上の集団がInnovators(イノベーター)である。
 以下、イノベーション度の偏差値60以上の集団がEarly Adopters(初期採用者)、イノベーション度の偏差値50~60の集団がEarly Majority(前期多数採用者)、イノベーション度の偏差値40~50の集団がLate Majority(後期多数採用者)、イノベーション度の偏差値40以下の集団がLaggards(採用遅滞者)である。
 
 
[図の出典]Rogers(1983) p.247。ただし読みやすくするため、文字部分等は打ち直した。
 
上記グラフの日本語表記としては下記が参考になる。

Rogersのイノベーション普及モデルにおける「イノベーションの採用時期が正規分布する」という仮説は、下記の日本における家庭用VTR製品の社会的普及や、レンタルビデオ店舗数の推移グラフなどと一致している。

日本における家庭用VTRの普及とRogersの普及曲線の比較
[出典]井庭崇ほか(2001) p.77の図4、家庭用VTRの普及率のデータの出典は
経済企画庁の「消費動向調査」1982-1996]
日本におけるレンタルビデオ店舗数の推移とRogersの普及曲線の比較
井庭崇ほか(2001) p.78の図5
[店舗数の推移データの出典は電通総研(1996)『情報メディア白書1996』]
 
[関連データ]
 
E.M.Rogersの主著
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イノベーションに関するリニア・モデル — TRL定義

DODやNASAのTechnology Readiness Level Definitions(以下、TRLと略記)は、イノベーションに関するリニア・モデル的発想に基づくものと思われる。
 
NASAのTRLの定義は下記の通りである。
TRL-1 Basic principles observed and reported.
TRL-2 Technology concept and/or application formulated.
TRL-3 Analytical and experimental critical function and/or characteristic proof of concept.
TRL-4 Component and/or breadboard validation in laboratory environment.
TRL-5 Component and/or breadboard validation in relevant environment.
TRL-6 System/sub-system model or prototype demonstration in an operational environment.
TRL-7 System prototype demonstration in an operational environment.
TRL-8 Actual system completed and “flight qualified” through test and demonstration.
TRL-9 Actual system flight proven through successful mission operations.
そしてそれぞれの定義に対応するHardware Descriptionは、下記のように規定されている。
TRL-1 Scientific knowledge generated underpinning hardware technology concepts/applications.
TRL-2 Invention begins, practical application is identified but is speculative, no experimental proof or detailed analysis is available to support the conjecture.
TRL-3 Analytical studies place the technology in an appropriate context and laboratory demonstrations, modeling and simulation validate analytical prediction.
TRL-4 A low fidelity system/component breadboard is built and operated to demonstrate basic functionality and critical test environments, and associated performance predictions are defined relative to the final operating environment.
TRL-5 A medium fidelity system/component brassboard is built and operated to demonstrate overall performance in a simulated operational environment with realistic support elements that demonstrates overall performance in critical areas. Performance predictions are made for subsequent development phases.
TRL-6 A high fidelity system/component prototype that adequately addresses all critical scaling issues is built and operated in a relevant environment to demonstrate operations under critical environmental conditions.
TRL-7 A high fidelity engineering unit that adequately addresses all critical scaling issues is built and operated in a relevant environment to demonstrate performance in the actual operational environment and platform (ground, airborne, or space).
TRL-8 The final product in its final configuration is successfully demonstrated through test and analysis for its intended operational environment and platform (ground, airborne, or space).
TRL-9 The final product is successfully operated in an actual mission.
TRL-1 科学的知識 →TRL-2 発明→ TRL-3 分析研究→ TRL-4 試作(breadboard) → TRL-5 brassboard → TRL-6 プロトタイプ → TRL-7 A high fidelity engineering unit → TRL-8およびTRL-9 製品(The final product)という順序的プロセスとして規定していることは、イノベーションにおけるリニア・モデルとした管理である。
米政府のR&D定義とDODのR&D定義の比較
 
NASAのTRL定義
NASA(2012) “Technology Readiness Level” Oct. 29, 2012
NASA “Technology Readiness Level Definitions”
 
米国防総省(DOD)のTRL定義
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RANDのイノベーション関連資料

Donna Fossum, Lawrence S. Painter, Valerie L. Williams, Allison Yezril, Elaine M. Newtonによる共著、700ページ。
上記URLより各章をダウンロードできる。
 
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科学・技術の社会性 vs 科学活動・技術活動の社会性

科学的認識の「社会」性は、「科学的認識の本質的要素・本来的なモノであり、取り除き不可能なものであるのか?」、それとも「科学的認識の非本質的要素・偶有的なモノであり、取り除くべきものであるのか?」
 
普遍性を持つ認識としての科学的認識
日本でも、アメリカでも、ロシアでも、中国でも同一の内容を持つべきも
のとしての、科学的認識、社会主義国でも、資本主義国でも同一の内容を持つべきものとしての、科学的認識)
 
対象認識としての科学的認識(対象との一致・不一致が観測用具・実験装置によって検証されるものとしての、科学的認識

 

テクノサイエンス

科学 ⇔ 先端技術

     商用技術 ⇔ 社会、

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科学的研究の「基礎研究」的性格に関する歴史的主張

原子力に関わる「基礎研究的性格」論
オニール,ジョン・ジェー(鈴木訳,1940)「社会生活に革命を起こす原子動力の発見」『アメリカ』(新世界朝日新聞東京支社),1(3), 1940年8月号, pp.36-39
本記事は、原子力に関する科学的発見が社会生活に大変革をもたらすというようにその革命的意義を強調するとともに、科学者による基礎的研究の次の段階が技術者による実用化である、としている。

世紀の科学の凱歌がアメリカ科学によって挙げられた。19世紀のキュリー夫妻のラジユーム発見にも比すべき大発見が科学者の一群によって成遂げられたのである。いやラヂユームの発見よりも更に大きな影響が予想される。社会生活に大革命を招来するだろうことが期待されるのだ。・・・新しい、奇異な物質が分離し、空想にも及ばなかったような大きな力を放射することが、アメリカの実験室から発表された。それはラヂユームと同じ鉱石の中に隠されていたウラニウム235である。しかもラヂユームに比して数億倍も多量に含まれ、数百億倍の力を放射するという麒麟児だ。この新しく分離された原子はその爆発力によって石炭の燃焼によって得られる力に比し、実に500万倍の強力なものである。しかもこれは全原子動力放射の第一歩であって、全原子動力は如何なる化学燃焼の方法によるものよりも180億倍も強いのだ。/アメリカの科学は、この強大な力の存在を理論的にも、実験的にも証明した。そして次の研究段階は技術家がこの原子動力を実用的なものとすることで、その方法はこの原子を含む原料を分解する実用的方法を発見することに懸つている。これが為には、一方には実験的規模と、他方には大量生産規模とが併行して研究が進められねばならない。そしてそれが成就する日こそ、現代文化革命の日であり、人類の社会生活に大変革が起こるのである。その基礎的研究は、既に最近アメリカ科学が完成したのである。」p.36

 
科学(1943)「戦時下に於ける科学の進展について」『科学』岩波書店,1943年11月号,p.1
無署名の本巻頭言は、戦時下において直接的には役立たない科学研究をおこなうことの意義について次のように主張している。

「かやうな場合に於ても我々科学者としては,そこに多少の余裕の存する限りは,科学上の根本的な研究を推し進めることを忘れてはならないのであり,かやうな研究の進展を切望しないわけにゆかないのである。なぜと云へば,それが意外な点に於てまた戦力増強に貢献しないとも限らないからである。すなはち自然はいかにも巧妙につくられてゐるのであって,どんな所に異常な現象を呈するかを我々は予め想描することが不可能なのであり,そこに予想外な新発見が結果しないとは限らないからである。・・・周知の如く科学上の研究はいつも我々の予想外の発見を持ち来すといふことは従来のあらゆる経験が之を実証してゐるのであり,この意味に於て多少でも余裕の存する限り,科学者はやはりその根本的な研究を推し進めることに努力しなければならないのであらう。」
そして科学者によるそうした予想外の新発見の例として原子核分裂を挙げるとともに、それがエネルギー論的意味を持つことを強調している。
「具体的な一例をここに記して見るならば,先年ドイツのハーン及びシュトラースマンによってウラン原子及びトリウム原子を中性子で爆撃することにより原子核の分裂が発見せられたことなど重要な事実である。・・・しかもこの分裂に伴って巨大なエネルギーが放出せられることも明らかになったのである。」

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Alexanderの議論

1.製品アーキテクチャ論の前史としてのChristopher Alexanderの主張
AlexanderはAlexander(1966), Notes on the Synthesis of Form, p.116において、「分解(decomposition)が設計者にとってともかくも有用である」という前提を問題にしている。そして、「設計者は単一性(singleness)という意味においてintegrityを求め続けるものである」として設計における<総合>的側面の存在を主張する一方で、「設計プログラムの起源は分析的(analytical)である」として<分析>的側面の存在も主張している。そして設計プロセスにおける、そうした「分析と総合」(analysis and synthesis)という二つの目的の間の対立は、「[分析をおこなう]知性(intellect)と[総合をおこなう]アート(art)が設計において両立しない(incompatible)」とか、「「うまく組織された統一的設計」(unified well-organized designs)を設計者が作り上げるのに分析的プロセスは役に立たない」という主張へと人々を導く、と下記のように述べている。

Before we try to define a decomposition criterion we may want to question the assumption that such a decomposition can be of any use at all to a designer. The designer as a form-maker is looking for integrity (in the sense of singleness); he wishes to form a unit, to synthesize, to bring elements together. A design program’s origin, on the other hand, is analytical, and its effect is to fragment the problem. The opposition between these two aims, analysis and synthesis, has sometimes led people to maintain that in design intellect and art are incompatible ,and that no analytical process can help a designer form unified well-organized designs.
 
2.Christopher Alexanderの論稿
(1) Alexander, C.(1965) “A City is not a Tree”
本論文は、最初は下記のように1965年にpart I,Part IIの二つに分けて公刊されている。
 
Alexander(1965) “A City is not a Tree – Part I,” Architectural Forum, Vol.122, No.1, April 1965, pp 58-62.
Alexander(1965) “A City is not a Tree – Part II,” Architectural Forum, Vol.122, No.2, May 1965, pp 58-62.
 
http://www.rudi.net/books/5613によると、本論文は下記のようにさまざまな雑誌で何度も再録されている。
Design No 206, February 1966, pp 46-55;
Ekistics Vol 23, pp 344 – 348, June 1967;
Hefti Birtingur No 13, 1967, pp 50-72;
Architecture Mouvement Continuite 1, November, 1967, pp 3-11;
Cuadernos Summa-Nueva Vision, No 9, September 1968, pp 20-30;
Stichting Wekgemeenschappen Bergeijk, 2; (1966?), pp.77-108
Approach, Spring 1968, pp 26-27;
It also appeared later in anthologies and other edited works:
Architecture Anthology, (1969), Arizona State University, pp. 580-590;
Tres Aspectod de Matematica y Deseno, (1969), Barcelona, pp. 19-60;
La Estructura de Medio Ambiente, (1971) Barcelona, pp. 17-55;
Human Identity in the Urban Environment, Bell, G & Tyrwhitt, J(eds), Harmondsworth, UK, Penguin Books, 1972;
Design After Modernism: Beyond the Object, Thackara, J. (ed.) (1988), Thames and Hudson, London, pp. 67-84;
Architecture Culture 1943-1968: a Documentary Anthology, Ockman, Joan, ed. (1993), Columbia Books of Architecture and Rizzoli, New York, pp.379-388.
なお下記の本にも再録されている。。
Jonathan Crary, et al. (eds.) (1985) Zone 1/2, Johns Hopkins University Press, pp.128-149.
 
なお本論文は下記でダウンロードできる。
 
 
(2) Alexander(1966), Notes on the Synthesis of Form, Harvard University Press[稲葉武司訳(1978)『形の合成に関するノート/都市はツリーではない 』鹿島出版会]
本書は、下記WEBページからダウンロードできる。なお邦訳書はNotes on the Synthesis of Formと、Alexander, C.(1965) “A City is not a Tree”を含んでいる。

http://monoskop.org/images/f/ff/Alexander_Christopher_Notes_on_the_Synthesis_of_Form.pdf

 
(3) Alexander, C. et al.(1977) A Pattern Language – Towns, Buildings, Construction, Oxford University Press
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Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance

Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance[藤本隆、クラーク, K. B. (2009) 『製品開発力 : 自動車産業の「組織能力」と「競争力」の研究』ダイヤモンド社]における製品開発論

製品開発(product development)を構成する主要な4段階
1) concept development
2) product planning
3) product engineering
4) process engineering
「それぞれの段階における内的なcritical linkagesと、それぞれの段階にまたがるcritical linkagesの両方」(the critical linkages within and across them)を藤本=クラークは問題にし、日本、アメリカ、ヨーロッパでは「それぞれ異なるlinkagesが創出され、管理されている」(each creates and manages the linkages differently)としており、3類型にパターン化できるとしている。
 
linkagesの創出・管理を規定している要因としては下記の3つがある。
(1) a firm’s ability to build channels of communication(コミュニケーション・チャネルの構築能力)
(2) attitudes toward cooperation(共同に対する態度)
(3) the skill of the engineers(エンジニアのスキル)
 
「自動車のようなインテグラル製品においては諸機能の統合が必要である」ということに関する認識
「企業が製品開発をどのように組織しているのか?」(a firm organizes development)、すなわち、「企業が(製品開発)作業をどのように分割し、調整するのか?」(how it divides up and coordinates the work)という問題に関しては、製品開発プロセス(the development process)の「組織化」(organization)の二つの側面 — 「専門化」(specialization)と「機能間的統合」(cross-functional integration)を考察する必要がある。

“Organizationally, the development process achieves internal integrity mainly through cross-functional coordination within the company and with parts suppliers.” Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, p.30(『製品開発力』p.53)
翻訳では、cross-functional coordination within the company and with parts suppliersが「企業内部および部品メーカーとの間における部門横断的な調整」という訳になっており、functionのニュアンスが訳されてない。

“Cross-functional coordination within the firm (internal integration and other mechanisms)” Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, p.298(『製品開発力』)

 
「互いにうまく働くパーツ」は、「緊密に結びつけられ統合されている」(closely linked and integrated)組織によってつくられる、という発想
“parts that work well together are produced by organizations that are closely linked and integrated.”「ピッタリ合ってうまく作動するpartsは、緊密に結びついており、統合されている組織によって製造される。」Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, pp.30-31

『製品開発力』p.53では、organizations that  are closely linked and integratedが「緊密に連携がとれ、調整力のある組織」と訳されており、integratedのニュアンスが意訳されすぎている。)
 
自動車は、「数千の、機能的に有意味なコンポーネント」(thousands of functionally meaningful components)から構成されている。「数多くのコンポーネントの間の微妙なトレードオフおよび緊密なinterdependence」(subtle trade-offs and tight interdependence among many components)がtotal vehiclesのinternal coordination(の実現)を極端に挑戦的なものとしている。
“An automobile is composed of thousands of functionally meaningful components, each requiring many production steps. The technological sophistication of each component may be somewhat lower than that found in some high-tech products, but subtle trade-offs and tight interdependence among many components makes internal coordination of the total vehicle extremely challenging. Small size makes layout coordination for some cars quite difficult. Use of common parts across products complicates interproject coordination. The automobile thus places high on the internal complexity axis in Figure 1.1.”
Clark, K.B., Fujimoto, T. (1991) Product Development Performance, p.10(『製品開発力』)

「integrityを実現する」
Four Modes of Integration

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C. Y. Baldwinと K.B. ClarkによるDesign Rule論

「各partsが衝突し、一つの全体としてのsystemを殺してしまうことが確かに生じないように、modular systemからなる構築物を支配するのに必要な」事前決定、初期決定としてのDesign rules
Baldwin,C.Y., Kim, B. C. (2006) “Roadmap for Design Rules,” p.4や、Design Rules: Volume 1, The Power of Modularity中国語版序文[日本語版序文を基に書かれた序文]において、「人工物の設計に関わる決定のすべてを先延ばしにできるわけではない」、すなわち、「他の諸決定と調和的に働かせるための枠組みを提供するために、いくつかの初期的決定が必要である」と述べた上で、「そうした初期決定がDesign Ruleとして役立つであろう」としている。そして、design rulesを「うまくつくる」(well-constructed)ことができれば、modular systemを構成する数多くの諸部分に「調和を与える」(provide harmony)ことができる、としている。

Obviously, however, not all decisions about the design of an artifact can be postponed: some early decisions are necessary to provide a coordinating framework for the others. Those early decisions, in turn, would serve as rules — design rules. Design rules were needed to govern the building out of a modular system, ensuring that the respective parts did not clash and in so doing “kill” the system as a whole. Such rules, when well-constructed, provided harmony among the many different parts of a modular system.
Baldwin,C.Y., Kim, B. C. (2006) “Roadmap for Design Rules,” p.4
http://www.people.hbs.edu/cbaldwin/dr2/baldwindrroadmap.pdf

http://www.people.hbs.edu/cbaldwin/dr2/baldwinchinaprefacev1_2.pdfのp.4/13

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製品アーキテクチャ論関連文献

Ulrich
Modularity概念関連のエッセイレビュー
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純粋基礎研究 vs 目的基礎研究 – 応用目的の有無による基礎研究の種別的分類

1.応用的目的・実際的目的の有無による純粋研究の区分-「純粋基礎研究」および「目的基礎」といった概念の形成史
(1)J. S. Huxley (1934) Scientific Research and Social Needs, London: Watts and Co. - 「実際的目的を意識的には持ってはいない」pure research としてのbackground research vs 「何らかの長期的な実際的目的を持つ」pure research としてのbasic research
Huxley (1934)p.253は、研究を「実践からの距離」(different degrees of remove from practice)を基準として、 background、basic、 ad hoc 、 developmentという4種類に分類している。最初の二つが純粋研究(pure research)に属するもので、後の二つが
応用研究(applied research)に属するものである。
 background researchは、原子物理学や実験発生学(experimental embryology)など「実際的目的を意識的には持ってはいない」(with no practical objective consciously in view)研究である。
basic research は、土壌学(soil science)、気象学(meteorology)、動物育種学(animal breeding)など「まったく基本的な研究ではあるが、何らかの長期的な実際的目的を持つ」( “quite fundamental, but has some distant practical objective)研究である。
Huxley (1934)p.253では「それら二つのカテゴリーが純粋科学(pure science)と通常呼ばれているものを構成している」(Those two categories make up what is usually called “pure science”)とされている。
なお ad hoc researchは、発光を目的とする放電管研究、マラリア撲滅を目的とする蚊に関する研究など「直接的目的」(immediate objective)を持つ研究である。
development  researchは、産業においてpilot reseachとも呼ばれているもので、「実験室での発見を商業的規模での量産へと変えるのに必要な研究」(the work needed to translate laboratory findings into full-scale commercial practice)である。
(2) B.Godin – oriented research
Godin(2009)pp.22-23は、自らのoriented research概念は、J. S. Huxley (1934) Scientific Research and Social Needs, London: Watts and Co., p.253における研究分類(background, basic, ad hoc and development)に由来する、としている。
 
2.「基礎研究」概念関係資料
(1) 欧文著作
 
(2) 日本語関連著作・論文
日本労務研究会(1964)「企業の研究活動に関する調査結果の概況」『労務研究』(日本労務研究会)17(6) 1964.07, pp.43-49
日本経営工学会編(1975)『管理工学便覧』丸善、p.839
Stokes(1997) Pasteur’s Quadrant p.35の図の翻訳がp.3に掲載されているが、そこでは「基本的理解の探求」という意味のquest for fundamental understandingという語句が、「根本原理の追求」というように少し強く意訳されている。
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3.『科学技術白書』における純粋基礎研究 vs 目的基礎研究
(1)『科学技術白書』昭和39年版
『科学技術白書』昭和39年版の第3章「民間企業の研究活動」の3「企業の基礎研究」の2「基礎研究の重点」の箇所では、科学技術庁「企業の研究活動に関する調査」(昭和38年)からの引用があり、「純粋基礎研究」と「目的基礎研究」という区分に基づいて、民間企業における基礎研究の重点がどちらにあるかを調査した結果が紹介されている。

純粋基礎研究=「どんな応用ができるかわからないが新しい現象や知識の探究」
目的基礎研究=「特定の目的に役立てるため現在不明な点の穴埋めをする研究」

全体としては、「目的基礎研究」に重点を置いている会社が63%、「純粋基礎研究)に重点を置いている会社が9%、両方を同程度に行なつている会社が28%という結果になっている。「第3-6表 基礎研究の実施状況およびその重点」(下記の図)に資本金別、業種別の詳しい調査結果のまとめがある。

『科学技術白書』昭和39年版,第3章,表 第III-6
 
また,基礎研究を純粋基礎研究と目的基礎研究に分けると,わが国の民間企業等で行なわれている基礎研究の92%が目的基礎研究に属している。しかし,諸外国と比較するとわが国の「会社等」では基礎研究,応用研究のウエイトが大きく,開発研究のウエイトは小さい( 第1‐22表 参照)。・・・一般に,その国の研究費の総額が少ないほどそのなかに占める基礎研究費のウエイトが大きくなる傾向にあり,これを図示すると 第1‐22図 にみられるように,各国の全研究費に占める基礎研究費の割合は一つの傾向線上にあるが,日本の場合だけは特異な存在となつており,わが国においては,基礎研究費の比重が著しく大きい。
 
『科学技術白書』昭和59年版の当該箇所では下記の注のように、「基礎研究」と「応用研究」の区別、「純粋基礎研究」と「目的基礎研究」の区別がなされていることを紹介した後で、「新材料創出という技術的課題を克服するため,物質に関する新しい知識を探求するような基礎的な研究が推進されつつある」とか、病気の発生メカニズムや人体の構造に関する研究では「純粋な学問的関心」と治療的関心の共在があることなどを挙げて研究現場では基礎研究と応用研究の区別が難しくなってきているとか、素粒子論のような基礎研究が長期的には原子力など応用につながるなどいったことなどを根拠としながら、「基礎的」と「応用目的」を対立的に捉えるべきではない、と主張されている。

注)米国では,「Basic Research」,「Applied Research」,「Development」という一般的な区分の他に,米国国防省関係では「Research」,「Exploratory Development」,「Advanced Development」,「Engineering Development」,「operational System Development」の区分が用いられている。また,西ドイツでは基礎研究と応用・開発研究の2区分が統計上用いられている。我が国でも昭和42年度から昭和49年度までの間,「純粋基礎研究」,「目的基礎研究」,「応用研究」及び「開発研究」の4区分が総務庁(当時総理府)の「科学技術研究調査報告」で用いられていた。

この定義は,OECD諸国の研究開発や統計の専門家によって,研究開発の実態と統計作成の容易さ等を総合的に調和させて作成されたものである。

[出典]
 
4.企業における「基礎研究」論
著者の所属は、科学技術庁 科学技術政策研究所 第1調査研究グループ。
本報告書は、日立製作所基礎研究所長、味の素株式会社中央研究所基礎研究所長、東芝常務取締役総合研究所長、三菱重工業株式会社常務取締役技術本部長、ソニー株式会社R&D戦略グループ本部長、新日本製鐵株式会社取締役中央研究本部副本部長、石川島播磨重工業株式会社理事技術本部副部長・技術研究所長、三井東圧化学株式会社取締役総合研究所長、花王株式会社花王基礎科学研究所長理事、日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所長、日本電気株式会社基礎研究所長など「主だった民間企業における基礎研究の運営や技術戦略企画立案の要職にある方々をお招きし、我が国の主要企業における「基礎研究」の実態とその考え方、あるいは管理運営上の諸問題の解明を目的として開催した」セミナーでの講演、および、そこでの科学技術政策研究所研究員及び科学技術庁の科学技術政策担当行政官などとの間の討論により構成されている
 
 

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